稲渕の綱掛神事(つなかかけ) 綱掛神事は、稲渕と栢森両大字に伝わる神事で、毎年正月十一日(稲渕では成人の日)に、勧請綱を新しく取りかえる。 集落の下手の飛鳥川の上に綱を張る。子孫繁栄と五穀豊穣を祈ると共に、悪疫などがこの道と川を通って侵入するものを押しとめ、 住民を守護するための神事といわれている。 |
男綱(稲渕) | 女綱(栢森) |
架けられた勧請縄、 中央に稲藁で作った男性のシンボルが 吊り下げられているので、 男綱と呼び慣わす。 男綱は長さ約80m、重さ300kg。 住民約20人でわらを編んで作る。 高さ1.5m、直径30cmほどの シンボルが飛鳥川の上につるされる。 |
飛鳥川沿いの道際に小さな 磐座がある。 これを福石といわれている。 その場所から対岸に勧請綱70mの 架けられている。 男綱と同様稲藁で作った女性の シンボルを吊るしている。 福石を過ぎたあたりから栢森地区 となる。 |
稲淵の綱には陽物がつき男綱。 稲渕大字の特徴は、 全体を神式で行うことである。 飛鳥川の上に腸物を形どった 男綱を掛け渡し、 神所橋と呼ばれる橋に祭壇を設け、 神職が御祓いをする。 |
がつき女綱。 栢森大字の神事の特徴は、 全体を仏式で行うことである。 福石(陰物ともいう)と呼ばれる石 の上に祭壇を設け、 僧侶の法要の後、 飛鳥川の上に陰物を 形どった女綱を掛け渡す。 |
下の写真は男綱がかけられ、神事が行われるまでの行程 |
午前7時から地域住民ら約20人がわらを編む 作業を開始。 午後2時過ぎ、昨年の男綱を降ろし、 約60人が真新しい綱を勧請橋両脇の木に巻き つける。 その後、飛鳥巫神社の宮司が米、酒、塩、 を川に入れてお祓いをする。 |
山間を縫って飛鳥川が南から北へ流れる傾斜地に、 段丘状の棚田が幾層にも折り重なって、 古代からの原風景を見ることができる。 |
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9月中、下旬は約400ヘクタールの田畑を赤く染める彼岸花が咲く。 万葉集には「道の辺のいちしの花のいちしろく 人皆知りぬ我が恋妻は」 道端のいちしの花のように、世間の人々ははっきりと知ってしまった。 私が本当に愛している妻を。 いちしの花は彼岸花とする説が有力で、明日香に都があった古代から咲 いていた可能性が高いとされる。 |
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「日本の棚田100選」で知られる稲渕地区には、 あすかオーナー制度がある。 「たんぼコース」「トラストコース」「はたけコース」などがあり 、農家の指導も受けられる。 問合せは、村地域振興公社(通称・あすか夢耕社)0744−54−9200 |
飛鳥川の源流にあり、広大な明日香村の棚田「奥飛鳥の文化的景観」が、 国の重要文化的景観に選ばれている。 奥飛鳥は村の東南に位置する稲渕、栢森、入谷(いりたに)の3地区を中心とした地域。
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